市販のカラー剤と美容院のカラーは、どう違うのでしょうか?

2020-02-27(木)  投稿者:笠井 めぐ美   カテゴリー:ブログ,西長岡店

こんにちは、しょうへいの店西長岡店スタイリストの笠井です。

日本人の7割がヘアカラーをしていると言われている今、多くの選択肢が増え情報が飛び交っています。

美容院で染めても、ドラッグストアでカラー剤を買ってきて染めてもそんな変わらないんでしょ?

なんて声も聞こえてきますが、

そんなあなたに知っておいていただきたい、カラー剤、薬の話をまとめてみます。

☆市販のカラー(ホームカラー)と美容室のカラー(サロンカラー)は全く大切にしているものが違います。

まずはこの2つの違いを理解するところから始めましょう。

アルカリ剤の違い

アルカリ剤は揮発性のものと不揮発性のものに分かれています。

アルカリ剤はキューティクルを開き髪を脱色するもの

そのアルカリ剤が役割を終えた後も揮発せずに髪に残り続けると?

そう、ダメージの原因になりますよね。

市販のカラー剤に使われるアルカリ剤はモノエタノールアミンなど不揮発性のもの。

美容室のカラー剤に使われるのはアンモニアなど揮発性のもの。

残留したアルカリの除去ができれば話が変わりますが、ご自宅でそのケアは無理ですね。

市販のカラー剤はこの点では美容室のカラー剤よりも劣ると言えるでしょう。

過酸化水素の濃度の違い

過酸化水素は脱色、発色の両方に欠かせない成分です。

2剤と呼ばれる薬の主成分ですね。

日本の法律では6%が限界値となっており、美容室では主に1,5%、3%、6%あたりが使われています。

高い数値ほどよく脱色しよく発色します。

この脱色をする過程でどうしてもダメージが発生します。

健康な髪を明るく染めるにはそれなりに高濃度が必要。

ただ、明るくせずに色味を入れたいだけの時なんかは、低濃度の過酸化水素で十分なんですね。

市販のカラー剤を使ったことのある方はお分かりだと思いますが、2剤の濃度は選択できなかったです。

市販のカラー剤の2剤は6%の一択になっています。

どんなに健康な髪にも、ダメージが重なっている髪に対しても6%の過酸化水素濃度で髪を染めると、

根元の健康な髪は大丈夫ですが、度重なる負荷を受けている毛先にこの負荷をかけると必要以上のダメージが出る原因となるので注意が必要です。

塗り方の違い

市販のカラー剤で染める際は、2種類の染め分けができます。

・なんとなく根元だけ塗る。

・全体に塗る

なんとなくと表現したのも、自分で染めるとなるときっちり伸びた根元だけを狙って染めるのは難しいですよね。

きっと染めれているところ、余計に染めてしまっているところが出ているはずです。

それに対して美容室のカラーは自由度がかなり高まります。

・根元だけ塗る

・毛先まで塗る

・毛先だけ塗る

・根元と毛先を違う色で塗る

などなど塗布する範囲の正確さ、1度のカラーで使う色の数など選択肢がグッと広がります。

アルカリ剤、過酸化水素のところでダメージの出方の話をしました。

根元と毛先を違う色で塗れるというのはすごく便利で、それぞれの部分のダメージ度合いに大した過酸化水素濃度を変えることができるので、余計なダメージを削減することができます。

色味の調整の自由度

髪の色はカラー剤の色素だけで色が決まるわけではありません。

髪が元々持っているメラニンの色+前回のカラーの残留色素+今回のカラーの色素+光が透過する色=髪の色

と色々な要素が混ざって髪の色が出来上がります。

この細かい要素を市販のカラー剤ではワンパッケージで済ませることしかできません。

対して美容室のカラー剤は何色もの薬剤を調合して求める色への最適な色を作り出すことができます。(もちろん多くの知識と技術と経験値は必要ですが)

よりヘアカラーの色味のクオリティを求める際は市販のカラー剤では難しいかと思います。

デザイン性

市販のカラー剤でホームカラーをする際はとりあえず染めるだけ。で終わるでしょう。

美容室のカラーは無限の可能性があります。

明暗を織り込む、ハイライト、ローライトなどの技術。

ゾーンごとに色を変えるセクションカラー

毛先に向かって徐々に明るくしていくグラデーションカラー などなど、よりカラーで魅せるデザインを作ることができます。

髪にかける負担は最小限にして、より美しくデザイン性に富んだカラーを楽しんでいただきたいです。

カラーでかけた負担は、スタイリングのしにくさ、髪のツヤ感、その他の施術(パーマデザインなど)へも影響します。

美容師としてはなるべく髪への負担を減らし、美しいデザインを重視したいです。

カラー剤自体、またその塗布技術では美容室のカラーのほうが優れていることは紛れも無い事実なんです。

それでも市販のカラーにもメリットはあります。

あなたはカラーをどのくらいの周期でされますか?

1ヶ月に一度?2ヶ月に一度?

白髪で悩んでる方で早い方だと週1で染めてる人もいます。

白髪染めを頻繁にされる方は大体3週間で気になるようになる。と言っています。

そのタイミングで染めるとなると毎回美容室に行くのは負担になる方も多いですよね。

何より大きな問題になるのがこれです。

美容室へ行くとなると、往復の時間、サロンでの所要時間、さらにその前後の予定の調整が必要になりますよね。

特に頻度が多い方だと常に気になる問題になると思います。

そんな時は、ホームカラーも良いかと思いますが、できることなら毛先までのカラーは避け、根元の状態を次回美容室に行くまで持たせるため。という使い方にしてキレイを保てるといいですね。

ここまでそれぞれの特徴、メリット、デメリットを解説してきました。

どちらも良いところがあり、負担となるところもあります。

美容師の大半は、市販カラーを否定しがちですが、サロンカラーもホームカラーも正しい知識と使用方法を身に付ければ、長くオシャレを楽しめたり、キレイな状態を維持するために活用することができます。

Writer かちゃめぐ(笠井めぐ美)(かさい めぐみ)

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Written by: かちゃめぐ(笠井めぐ美)(かさい めぐみ)

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